2014年10月9日木曜日

クローヴィス(466~511)

 

“初のフランス王”の成功のカギは
グローバルスタンダードへの対応

466 生まれる
496 アレマン人に勝利
498 カトリック教徒として洗礼をうける
500 ヴィエンヌ侵入
507 西ゴート族に勝利
511 死亡

◇初のフランス王
このクローヴィスという人物、「フランク王国」の初代の王なのですが、この「フランク」は後世の「フランス」の言葉のもとになることから、クローヴィスは「初のフランス王」と言えます。このクローヴィスが登場した当時のヨーロッパはローマ帝国が倒れた後の混乱期でした。

◇「グローバルスタンダード」への対応
そのヨーロッパにやってきたのがゲルマン人の一派、フランク族でした。もとはローマ帝国だった土地に侵入し、そこに建国することとなりました。しかし、ここには一つの難題があったのです。それは、ローマ帝国内で信じられていたキリスト教の宗派は「カトリック」で、フランク族たちが信仰していたキリスト教は「アリウス派」で、ローマ帝国内では異端とされていました。そこでクローヴィスはある決断をします。今までの信仰を捨て、カトリックとして洗礼をうけるのです。同じフランク族の仲間たちにとっては裏切りにも等しい行為ですが、「グローバルスタンダード」にいち早く対応した、というわけです。

◇領地の拡大
この宗教政策のおかげでもとのローマ帝国の国民もフランク王国の支配をスムーズに受け入れることができました。国内の地盤を固めたおかげでクローヴィスはスムーズに領地の拡大ができ、現在のフランスとほぼ同じ規模の国を作ります。そうした意味でもクローヴィスは「初のフランス王」といえます。

◇ソワソンの壺
クローヴィスにまつわる逸話に「ソワソンの壺」があります。ソワソンという町を攻略したクローヴィスは、自分の軍の兵士がその町の司教が儀式に使うある壺を戦利品として獲得したことを知ります。儀式に使う大事な壺だから返すように説得したのですが、兵士はこの壺は俺のものだと言って聞きません。クローヴィスはそれ以上の説得はしませんでした。しかし、一年後のある日、軍を招集したときに、その兵士を見ると、槍の先がさび付いていました。兵士は処刑されることとなり、クローヴィスからは「ソワソンの壺を忘れるな!」という言葉がかけられたそうです。欲に目がくらむとだめだという教訓でしょうか、それとも目をつけられると些細なことでも罰せられてしまうということでしょうか。何かの教訓なのだと思います。

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